【感想・ネタバレ】セカオワSaori「ふたご」
新年一発目に読み終えたのが、
「ふたご」
正直セカオワのことは全く知りません。
ただ、以前からSaoriさんにはすごく興味があって、
「才能に溢れてる人」が、第一印象。
流れるように、あるいは音楽のように、
文章がすっと頭に入ってくる。
Saoriさんの言葉がずっと心地よかった。
あらすじ・感想 (ネタバレ含む)
月島は自分たちのことを
「ふたごのようだと思っている」という。
夏子はそんな月島に振り回されっぱなしだ。
ADHDを患う月島の行動を「病気」なんだと理解し寄り添いつつも、やはり分からないことが多く、時に投げ出したくなる夏子はすごく人間らしい。
夏子の苦しみや葛藤が生々しく、言葉や思いが容赦なく胸に突き刺さり目を背けたくなる。
さらに、読後の余韻がなんともいえない。
幸せなはずなのに、切なく、
なぜか胸が締めつけられる。
絶対に交わることのない2人。
なんといっても、文章が上手。
ひとりの女の子の繊細で複雑な心情を、
こうも丁寧に言葉にできるのか。
おわりに
頑なに文庫本派のわたしが
思わずハードカバーで買ってしまいました。
万人受けしないマニアックな小説ばかり
読んでたわたしですが、
久しぶりに人に勧められる作品に出会えたようです。